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【福岡ガチ永住ブログvol.21】外国人の就職事情を聞いてみた! 福岡在住外国人の「世界中から福岡を選んだ理由」後編

東京から移住し、福岡在住歴1年8カ月になった田中結です。いろんな人から「なぜ福岡に来たの?」とよく聞かれますが、「福岡は住んだら面白そうだから」というふわっとした理由しか答えられず恐縮しています。他の移住者はどんな理由で福岡に来ているのでしょうか?

そこで、福岡在住の外国人たちに福岡を選んだ理由を聞いてみました。前編の3人に続いて、後半は「ビザ」に絡んだ話をたくさんお聞きできました!

 

■福岡市長の言葉を聞いてやってきたフランス人

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レオ(27歳)
職業:福岡市スタートアップカフェのスタッフ
出身:フランス
福岡在住歴:6年目

パリ生まれボルドー育ちのレオさん。フランスの大学で日本語と日本文化を専攻し、平成21(2009)年に岡山大学の文学部に留学。帰国後はフランスの大学院で言語や態度の研究をしていたそう。そんな中、福岡市の高島市長が姉妹都市であるボルドー市(ボルドー第3大学)を訪れた際、市長がプレゼンする福岡市の魅力を聞き、福岡市はダイナミックで若者にチャンスを与える街だと感じて福岡への移住を決めたのだとか! 

来福直後、レオさんは行きたい会社に直接応募し、就職活動をしたそうです。福岡でいくつかのIT会社などに勤めた後、平成29(2017)年から福岡市スタートアップカフェのスタッフに。流暢で知的な日本語を駆使して起業の相談に乗ったり、福岡に来た外国人のサポートなども行っています。

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(レオさんは写真より実物の方が20倍美しいのでぜひ会いに行ってみてください)

福岡の住み心地はどうかと聞いてみると「暮らしやすいですよ。家賃も安いし。九州自体がいいですね」とのこと。ただ、「フランス人からすると福岡はまだ有名ではありません。でも、成長がスピードアップしていて可能性がある街。もっと外国の方に福岡を知ってほしいと思っています」とレオさん。

私も、東京にいたとき高島市長の活躍を見て「福岡市長は攻めてるなあ。変化の真っ最中にある街に住むの面白そう」と思っていたからとっても共感。冒頭の「福岡は住んだら面白そうだから」と思った原点を思い出しました!

 

■「スタートアップビザ」で福岡に来たフランス人とイタリア人

福岡市には「スタートアップビザ(外国人創業活動促進事業)」というものがあります。平成27(2015)年に福岡市からスタートし、現在は東京、仙台などに広がっている外国人向けのビザです。外国人が日本で会社を起こそうとすると、社員が2名以上とか資本金または出資総額が500万円以上、事務所の開設などの要件が最初から必要となりますが、スタートアップビザはその要件が6カ月間猶予されるので、福岡に来て事業を進めながら社員を探したり、事務所を設置したりすることができるのです。これ、結構すごいことじゃないですか? 

その上さらにスタートアップカフェで税理士さんや弁護士さん、社労士さんなどに無料で相談できるし、レオさん含め外国人スタッフがいるのでバックアップ体制も万全。これまで35人以上が福岡市でスタートアップビザを取得したそうで、全国の取得者のうち6割以上が福岡市!(平成29年11月時点、河北新報社調べ)

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(左:フランス人のジミーさん、右:フィンランド人のヤルノさん、中央:通訳してくれた今泉のビストロ「ル パリゴ」のフランス人シェフ・アキムさん)

この日もスタートアップカフェでは、スタートアップビザを取得して次世代打楽器ハンドパンのコミュニティ「ハンドパンジャパン」(https://handpanjapan.com/)」を立ち上げたジミーさん(フランス出身/41歳)と、SNSセラピーコミュニティ「Heimo」(https://heimo.jp/)を運営するヤルノさん(フィンランド出身)が打ち合わせをしていました。フィンランドはスタートアップ先進国で、福岡市との交流も盛んです。

福岡を選んだ理由を聞いてみると、ジミーさんは「質の高い暮らし、住民のあたたかさ、アジアにおける地理的な条件」とのこと。

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(右:イタリア人のワルテルさん、左:ワルテルさんにスタートアップビザを紹介した、シェアハウス天神のオーナー中村さん)

スタートアップカフェと同じ建物にあるawabar(アワバー)には、ウェブ制作の会社を起業したワルテルさん(イタリア/22歳)もいました。ワルテルさんがイタリアで卒業した専門学校(日本でいう高専のような学校)は就労ビザの要件に合わず困っていたところ、スタートアップビザの存在を知ったそうです。もともとイタリアで販売管理を行うPOSシステムの開発やウェブサイト制作の仕事をしていたため、システム開発やウェブ制作の会社を起こすことにしたそう。

ワルテルさんは「車のいらない街のコンパクトさ」が福岡移住の決め手だそうです。ビザが取得しやすくて、居住条件がいいとなればかなり魅力的ですもんね。

 

■マニアックな九州観光情報を発信するフィンランド人

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ヨーナス(28歳)
職業:福岡市スタートアップカフェのスタッフ
出身:フィンランド
福岡在住歴:1年目

平成29年6月から福岡に住んでいるヨーナスさん。平成23(2011)年に大分大学に半年間留学、平成27年に山梨学院大学に1年間留学したこともあるそうです。なぜ日本に興味を持ったのか聞いてみると「先輩が大分の留学がとても良かったとすすめていたから」。大学を卒業後、東京でゲストハウス運営会社に就職したそうですが、1年間勤めた後、社内体制が変わったことを機に退社。

「東京は便利で楽しかったけど、自分にとって大きすぎるかな。人が多いし、通勤時間が長いし。自然や海が近いところに引っ越したくて、札幌、仙台、広島、福岡で検討した。大分での留学時代によく遊びに行っていた福岡に決めました」。

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(「天ぷらひらお」)を楽しむヨーナスさん。近々ご両親が日本に来るらしくて、とびきりの観光プランを考え中)

大学時代にはITや起業を学んでいたこともあり、福岡に移住後はスタートアップカフェのスタッフとして働き始めました。「福岡のウェブ系で働く人は、東京とちょっと違う。一生懸命働きながらもリラックスしている」と感じているそうです。ヨーナスさん自身も、個人事業としてフィンランド人向けの九州観光情報サイト(公開準備中)を作っているんだとか。ヨーナスさんいわく「東京や京都でなく福岡に来ようとしているフィンランド人は日本に2回以上来ている人で、マニアックな観光を求めている。福岡や九州のマニアックな観光情報を集めていきたい」と意気込んでいました。特に長崎は歴史的観点から激アツの観光地だそうです。すごい詳しい。

留学前は日本語も全く知らない状態だったそうですが、先輩のひょんなおすすめがきっかけで、今や福岡をおすすめする立場になるとは……。平成28(2016)年以降、福岡空港からフィンランドの首都ヘルシンキまでフィンエアーの直行便が季節運航しています。フィンエアーはヨーナスさんに投資するといいと思いました。

 

■初めての自由を謳歌する香港人

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キャシー(23歳)
職業:ゲストハウススタッフ
出身:中国(香港)
福岡在住歴:1年目

半年前に福岡に来て、現在は福岡市内のゲストハウスでアルバイトをしているキャシーさん。大学を卒業後、親からは「いい会社に就職しろ」と散々言われていたそうですが、「世界を見てから仕事を探したかったから、バックパッカーになった」そうです。旅の途中のゲストハウスで日本人の女の子と仲良くなり、その子を訪ねて東京に3カ月滞在。さらにその子に「ワーホリに行かない?」と誘われオーストラリアに8カ月間滞在。その後、香港へは帰らず福岡に流れ着きました。就職する気配がない!

「今は生まれて初めて自由な気持ちがする」とキャシーさん。香港は小さい頃から習い事や勉強を詰め込み、いい会社に入るための競争が激しいそうです。家賃が非常に高いため、いい会社に入らないと生活できないからです。親が「就職就職」とうるさく言うのも子どものことを考えてのことですが、いざいい会社に入っても狭い家に暮らして、長い時間をかけて通勤すると思うと気が滅入っちゃいますよね。キャシーさんの話を聞いていると、厳しい教育の反動ではっちゃけてしまったお嬢様、というイメージが湧いてきて、ちょっと心配になってしまいますがきっと大丈夫。なぜなら、福岡にはしっかり者の彼氏のヨーナスさんがいるから。出会いは東京のゲストハウスで、福岡に来た理由はヨーナスさんが移住をしたからだそうです。今は二人で暮らすための家を探し中だとか。香港に帰る気が完全にない!

香港のご家族はキャシーさんがアルバイト生活なことを心配しているそうで、「今後は大手ホテルなどの仕事を探すつもり。大学で勉強してきたマーケティングのスキルが活かせる会社でもいい」と言っていました。就職のこと忘れてなかった! マーケティングはどの分野にも必要だから、ホテルへの就職にも活かせそうですよね。

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(キャシーさんのアルバイト先は、福岡の屋台で偶然再会したヨーナスさんの元上司の紹介。運命の波に乗りまくってます)

「前は東京、特に浅草が大好きだったけど、福岡に慣れたら福岡の方が住みやすくなっちゃった。博多ラーメンが大好きだから福岡を出られない」とのこと。ちなみにキャシーさんイチオシラーメンは東比恵の「一成一代」です。福岡でのびのびと暮らしているキャシーさんの姿をご家族にもぜひ届けたい。

 

■元家具職人のスイス人留学生

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ミハエル(26歳)
職業:学生
出身:スイス
福岡在住歴:1年目

日本語学校に通うミハエルさん。スイスでは家具職人として働いていて、お金を貯めて留学資金にしたとか。地元や旅行先で日本人と知り合ううちに「日本人は優しい人たち」だと感じて、それを検証するために実際に日本に行きたくなったとか。

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(福岡のお気に入りの場所は、大濠公園、シーサイドももち海浜公園。そこで缶ビールを飲むのがお気に入り)

日本に初めて来たのは4年前の旅行。「東京はすごく大きな街で、新しい世界みたいだと思った」。東京の秋葉原や上野に行き、そのほかにも青森、秋田、盛岡、新潟など東北に足を伸ばしたミハエルさん。その際に日本の自然に惹かれたそうです。いざ留学するとなり、評判のいい日本語学校を調べたところ東京校と福岡校の選択肢があり「東京は都会過ぎて住むのは大変」という理由で福岡を選択。スイスには海がなかったので、海が近いというのも決め手になったそうです。

ミハエルさんは卒業後、一旦帰国しますが、日本にまた戻って来ると誓っていました。なぜなら日本で彼女ができたから! 

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(左:日本人のモリミさん。右:スイス人のミハエルさん。ビール好きとハイキング好きをきっかけに仲が深まったお二人。春には二人でヨーロッパの山を登るそうです)

日本でも家具職人の仕事を探しているそうです。スイスの家具職人は、家具を作るだけでなく、キッチンの配管や電気の配線まで家の内装をほとんど手がけることができる職人さんを指すそうです。分業では気づかなかったアイディアで家具を作ってくれそうですよね。

今回取材した複数名の外国人が、「仕事を探すときは行きたい会社に直接メールを送る」と言っていました。日本のような求人サイトは海外ではほとんどないそうです。逆に言うと、人を雇いたい会社側も自社についてアピールを常にしておかないと外国人とはマッチングしないということですよね〜。IT業界なら自社サイトが充実しているけど、内装屋さんや大工さんの求人は苦戦しそう。

 

■まとめ:目的&環境の二重構造でガッチリ掴む福岡は強い

今回取材した10人の外国人のほとんどが、まず起業や留学などの目的があって来福し、実際に来てみたら住み心地がよくて気に入った、という結果となりました。特別なビザやいい学校が豊富に用意されていて、かつ住みやすいという二段構えの構造が福岡の強みなんですね。運命も起こりやすいし。

スタートアップビザは半年間なので、数年後には外国人起業家の会社が規模を拡大して、次の段階の化学反応も期待できます。こういった街の変化を間近で見られる今が一番見ごたえあるので、軽い気持ちで福岡に住んでみることをおすすめします!

 

 

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