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ライター・タカヤナギの「福岡ガチ検証生活」

【福岡プチ移住ブログ Day10】狩猟系女子の暮らしを体験してきた!(後半)

前回は「暮らしを自分でつくる」をテーマに半自給自足的生活を送る畠山千春さんの生活に迫りましたが、今回は農作業しながら、千春さんがどうしてこういった生活をするようになったのか、その動機について聞いてみました。

早速、農作業の準備をして田んぼに向かいます。

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千春さん「今日は、私たちが借りている田んぼのあぜ道沿いに大豆を撒きたいと思います。あぜに大豆を撒くのは昔ながらの方法で、大豆から出る成分が肥料になるんですよ」

僕「そうなんですね、はじめて知りました。それにしても、この辺りの風景はキレイですね」

千春さん「訪れた方、皆さん、そうおっしゃいます」

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千春さん「ここが私たちの田んぼです。広さは3 反弱くらいです。お米は全部手植えと手刈りでやってるんですよ」

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千春さん「まずは、大豆を植えるために雑草を鎌で刈ることからはじめましょう。こんな感じで雑草を刈ってもらえますか?」

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僕「了解しましたー。草刈りなんて小学校以来ですよ! ところで、千春さんは、どうしてこういった生活をはじめようと思ったんですか?」

千春さん「福岡に移り住むようになった直接の理由は、3.11の震災で勤めていた会社がこっちに移転したからなんです。当初は会社勤めをしていたのですが、次第に出勤する日を5日から4日、3日と減らして、できるだけ自分の暮らしに必要なものを自分たちで作っていくことに時間を割けるようシフトしていったんです」

僕「そうなんですね。会社勤めから今の生活にシフトするって、けっこうな冒険に感じるのですが、ご本人的にはどう思っていらっしゃったんですか?」

千春さん「いえいえ、私は本来、あんまり無謀なことはしない性格で、こちらの方が安全だと思っているから実践しているだけなんですよ。私たちの世代(1986年生まれ)は、バブルを経験したこともないですし、大企業に勤めて、いいお給料をもらって家を建てて、みたいな従来の価値観に懐疑的なところがあったんですね。それが、3.11の震災を体験したことで、いざとなったらお金が役に立たないことを目の当たりにして。急速に変化していく時代に適応できるよう、改めて価値観を見直したいと思ったんです。それで、いざというときに生きていけるように暮らしを自分で作ろう、というところに辿り着いたんです」

僕「なるほど」

千春さん「この暮らしのことを伝える講演や原稿を書く仕事、ワークショップなどの仕事をしているというお話をしましたが、そうやっていくつかの仕事を掛け持つことで、ひとつがダメになったとしても、別の仕事で生きていくことができるようにリスクを分散させているんです」

少し意外でした。冒険に飛び込んだというわけではなく、より確かな生活を志向したことが、現在の生活に繋がってくるんですね。したたかな生存戦略のように感じました。

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ちなみに、僕たちがまいた大豆はこちらです。一晩水につけておくと発芽しやすいとのこと。(豆だけに、これ豆知識)

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雑草を刈った跡地に、こんな風に穴を空けて、2、3粒の大豆を植えます。

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千春さん「では、続いて、梅仕事に移りましょうか。梅はもう漬けてありますので、シソ作りをします。まずはシソに塩を振って、揉み込んでもらえますか?」

僕「了解です! 」

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モミモミ……モミモミ…モミモミモミモミ

僕「塩で揉み込んでいくと、あれだけたくさんあったシソがどんどん小さくなっていきますね」

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千春さん「そうなんですよ。ある程度揉みこめたら、灰汁を抜くためにギューっと絞ってもらえますか?」

僕「かしこまりです。でも、東京では完成品を買うことで完結してしまう食べ物をこうして手作りするのは新鮮ですね! なんせ、お金もかからないですし」

千春さん「東京は何をするにもお金がかかりますからね(笑)。お金がないと死んでしまうのではないかという価値観にさらされたりもします。でも、本当にいよいよヤバいと生活に追い詰められた人は、ぜひ田舎に行ってみたらいいと思いますよ。田舎は高齢者の方たちが多く、若い人手が足りていない地域もたくさんあります。本気で農作業を手伝えば、住まいと食べものくらいはどうにかしてくれるはずです。でも、田舎はお金がかからないかわりにコミュニケーションや時間が必要になりますけどね。そういう意味では何事も等価交換だと思います」

僕「そうなんですか!! 毎日が綱渡りの僕として、すごく勇気づけられますね。千春さんたちの暮らしぶりを拝見していると、東京で消耗している場合じゃないなって感じました!(笑)」

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右側が塩で揉み込む前のシソ。左側が揉み込んで絞った後のシソです。こんなにも変わりました!

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続いて、塩漬けした梅から出たエキスを、絞ったシソにかけて、それをさらに梅にかけていきます。

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最後に絞り込んだシソを、フタをするように、梅の上に散らせば梅干しの仕込みが完成です。

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梅雨が明けたら天日干しをして、数日経てば食べ頃になります。

今回の訪問を通して、お金をかけるより手間をかけることで、日々の生活はより鮮やかさや豊かさが増すことを千春さんから教わりました。都会で暮らす人たちにとっては、頭ではわかっていても、実践するのは難しい生活。でも、その一歩を踏み込む価値は十分にあるように感じます。

それでは、また明日もよろしくです!

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