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福岡はラーメンよりうどんの街……ってホント!?

福岡のソウルフードと言えば「博多ラーメン」。これは紛れもない事実です。ただし、福岡の人がいつもラーメンを食べているかというと、実はそうでもありません。むしろラーメンよりもうどんの方が好きという「うどん党」も相当数いるのです。

福岡市在住の30代女性はこう言います。

「私、ラーメン屋さんあんまり行かんのよねぇ。昔からうどんの方がよう食べよるかも。臭いも気にならんし、味も濃すぎんけんいつでも食べれるし」。

ラーメンよりうどんを愛する福岡人が結構いるという“事実”について、福岡に移住した人たちは戸惑うそうです。

ちなみに福岡市は、あの「うどん県(香川県)」にも負けないくらいうどんを愛する人が多く、実際にうどん・そば店の従業者数は21大都市中堂々の1位!

福岡出身のタモリさんや博多華丸・大吉さんがテレビなどで何度も「博多うどん」の魅力に言及したり、11月に放映された「福岡人志、」(福岡放送)でダウンタウンの松本人志さんが、ウエストの「ごぼう天うどん」を大絶賛したりと、最近、あちこちで福岡のうどんが取り上げられています。

もしや、福岡グルメの顔は「博多ラーメン」ではなく「博多うどん」になりつつあるのでしょうか!?

そこで、麺をこよなく愛し、先日、書籍『うどんのはなし 福岡』を自費出版した福岡在住ヌードルライターの山田祐一郎さんに、その魅力を解説してもらいました。

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「博多のうどんの特徴は、まずコシがなくて柔らかい麺。これを、透き通ったスメ(福岡のうどん通はつゆのことをこう呼びます)と一緒に、にゅるりと吸い込みます。やさしい味わいで、普段の昼食はもちろん、おやつにも、そして呑み過ぎた翌日のお昼にもぴったり。ちなみに、一番人気のトッピングがゴボウを揚げた“ゴボ天”。丸天と並んで福岡固有のトッピングとされていて、福岡から海を隔てた隣県山口県の下関に入った瞬間、このゴボ天を提供する店がほぼなくなってしまうんです。福岡県内でも店によって揚げ方が違うのが、またいいんですよ。基本的にうどんはラーメンと違って“替玉”ができないので、お腹いっぱい食べたいときは、かしわおにぎり(鶏の炊き込み御飯をおにぎりにしたもの)をプラスしてください。これを、うどんのつゆと一緒に口に入れ ると最高なんですよ!」(山田さん)

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ん〜、なんだか聞いてるだけでヨダレが……。

実は 福岡は“うどんの発祥地”だとか。博多駅から徒歩10分の距離にある承天寺の境内には「饂飩蕎麦発祥之地(うどんそばはっしょうのち)」と刻まれた石碑も。なんでも、聖一国師というお坊さんが1241年に中国からうどんやそばの製法を持ち帰ったことが、うどんの普及に大きな役割を果たしたのだといいます。

中洲近くにある県内最古のうどん店『かろのうろん』の開業は1882年。博多の豚骨ラーメンの先駆けと言われている屋台『三馬路』のオープンは1941年ですから、豚骨ラーメンが出てくる半世紀以上も前から、うどんは博多の市民に親しまれていたようですよ。屋台というとラーメンのイメージがありますが、実はラーメン登場以前はうどんを提供していたという話もあります」(山田さん)

にわかに盛り上がりつつある現在の“博多うどんブーム”ですが、博多うどんは、長く福岡市民に愛され根付いてきたもの。

「たしかに、いま福岡でうどんが注目されているのは間違いありません。ただ、博多うどんを愛し、応援している者としては、これまで通り、自然な形で愛されていってほしいですね。いつまでも気楽に食べられて、ほっと安心できる存在であってほしいと思います」と山田さん。

福岡でしか食べられない、庶民の味“博多うどん”。「福岡といえば博多ラーメン」とばかり思っていた方! 来福の際は、是非本場の博多うどんを食べてみてくださいね。


【プロフィール】
山田 祐一郎(やまだ・ゆういちろう)
1978年生まれ、西南学院大学卒。2003年、福岡市内の編集プロダクションに就職し、ライターに。2012年8月、【KIJI(キジ)】を設立。以来、日本で唯一(※本人調べ)のヌードル(麺)ライター(物書き)として“1日1麺”をモットーに、九州を中心とした各地の麺を食べ歩き、原稿を執筆している。2015年7月「うどんのはなし 福岡」を上梓。現在、福津市在住。

【関連リンク】
KIJI
http://ii-kiji.com/

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