HASH#FUKUOKA

CLOSE

「所有から共有へ」 世界最大のプラットホーム目指す福岡発の交通革命

平成23(2011)年に福岡市内で設立し、今年で創業3年目を迎えた株式会社リーボ(REEVO Inc)。同社は、カーシェアリングシステムの開発やスマートフォンアプリによるカーレンタル事業などの交通系サービスを提供するシステム会社で、『交通革命により、人生を豊かに』とのミッションを掲げています。同社の目標とする福岡からの“交通革命”とはなんでしょうか?代表取締役の松尾龍馬(まつお りょうま)さんにお聞きしました。


――松尾龍馬さんというお名前が印象的ですが、由来はやっぱり坂本龍馬なのでしょうか?

松尾 ええ、司馬遼太郎『竜馬がゆく』を愛読していた父親が名付けたんですよ(笑)。父の影響で、僕自身も坂本龍馬がどんな生き方をしてきた人なのか興味を持つようになり、伝記や関連書籍を読みあさりましたね。龍馬の有名な言葉に『この世に生を得るは、ことを為すにあり』というものがあります。「生まれたからには、国を変えるような大きなことを成し遂げなさいよ」という意味ですが、僕もずっと龍馬のように、日本をひっくり返すような、ドでかいことをしたいと思っていました。

――これからドでかいことをするわけですね。では、まず今のお仕事を選んだ経緯について教えてください。

松尾 これも龍馬の影響なのですが、30歳までには自分の会社を作りたいと思っていたんです。とはいえ、20代前半の頃は「これがやりたい! 」というものは決まっていなかったので、大学院卒業後はいったん自動車メーカーに就職しました。小さい頃からクルマが好きだったので、そこはごく自然に。

――トヨタ自動車九州株式会社に就職、レクサスの製造工場でエンジニアとして勤務されるなど4年4か月間、在籍されていますね。

松尾 自動車作りの現場で働けて良かったのは、クルマがもたらす世界へのインパクトや、作り手の思いやこだわりを、身をもって体験できたことです。その経験があったからこそ、クルマの未来がこれからどうなって行くべきかを、確信をもって考えられるようになりました。

――独立のきっかけは?

松尾 やはり大きかったのは(平成20年の)リーマン・ショックですね。あの影響で、製造はストップ、定時前に帰れと言われる状態が続きました。ちょうどその頃、カーシェアの概念が出始めていて、『所有から共有へ』という流れが生まれていたんです。そこで、ビジネス起こすなら「これだ」と思い、平成23年に今のクルマに関連した会社を設立しました。ちなみに龍馬が脱藩したのは27歳のときですが、僕が起業したのはその1年遅れの28歳。ええ、そこもめちゃくちゃ意識していました(笑)。

――福岡市ならではのビジネス風土があれば教えて下さい。

松尾 僕は同じ九州の北九州市生まれなのですが、それでも福岡市に来てびっくりしたことがたくさんあります。まず、福岡市には九州中から人間が集まる。昔から盛んに交流が行われる場所なので、気さくに『どこから来たとね?』と話しかけてくれるような、オープンマインドな文化があるようです。

――起業する上では、そういった風潮も後押ししてくれたと?

松尾 起業家なんて単純ですから(笑)。「わっしょい! わっしょい!」と持ち上げてもらえたら、調子乗りますね。僕自身の経験で言えば、2歳年上の兄貴分のような人との出会いが一番大きかった。起業前、どこで何をしたらいいのかもかわからなかったので、福岡市の異業種交流会によく顔を出していたのですが、そこで出会ったのがその兄貴分です。すでに経営者だった彼は、僕の事業計画書やビジネスプランを見てくれて「いいじゃん!これでイケるよ、営業行って来いよ」と、背中を押してくれました。今思えば稚拙なプランだったのですが「経営者がそう言うなら、イケるのかも」と手応えを感じて、営業活動に自信を持てました。起業家にとっては、そういう“自己肯定感”を育むのは、目標を実現させるためにもすごく大事なことです。

――御社の新サービスについてお聞かせください。

松尾 今年11月から、乗り物の体験にフォーカスした新サービス『Veecle!-experience(ビークル)』を開始しました。これは、キャンピングカー、バイク、自転車、船、馬など、ありとあらゆる乗り物が簡単に予約できる、いわば「乗り物プラットホーム」のようなものです。そして同時並行で、インバウンド・アウトバウンドをやりたいと思っています。インバウンドに関して言えば、海外から来た人が、乗り物を安心して借りられるようなサービスを充実させて、世界最大の乗り物レンタルプラットホームを作っていくつもりです。

DSC03827.JPG

――御社の理念は『交通革命により、人生を豊かに』だそうですが、この交通革命について具体的に教えてください。

松尾 大企業のような技術力や、特許があるわけでもない弊社が、なぜ交通ビジネスをやるのか?と考えた時にたどり着いたのが『交通革命により、人生を豊かにします』というミッションです。目的地までスムーズに行ける交通サービスをつくり、人生の“体験”を豊かなものにする。そして弊社が描くビジョンが「全ての“行きたい”が加速する、出会いと感動に満ちた世界」です。乗り物を使って着いた先の目的地には、人との出会い、素晴らしい景色、楽しいイベントなどの体験が待っています。その途中経過・経路である交通手段が、常にベストな状態であれば、私たちはより多くの体験ができるようになるはず。交通サービスが快適であればまた「行きたい」と思ってもらえる。行きたいという気持ちと体験とが好循環を生み、人生が出会いと感動に満ちたものになる……そう考えています。

――大きな目標ですね。ただ、そうなると「革命実現」のためには、東京に拠点を置かれた方がいいと考えたこともあるのでは?

松尾 もちろん、今後、東京に営業拠点を置く可能性は充分あります。ですが本社機能は福岡でしょうね。東京のような大都会では、うちの社員がクルマを運転する楽しさを感じられないのではないでしょうか?そもそも弊社のミッションで『人生を豊かに』と言っているので、まず社員の人生を豊かにしないといけません(笑)。福岡は『程よく田舎、程よく都会』と言われる通り、ちょっとクルマを走らせれば、海も山もあり、大自然を満喫できるし、食べ物もおいしい。ときには足を伸ばして、熊本県の阿蘇の大観峰までドライブを楽しんだり、佐賀県の呼子港にイカを食べに出かけたりと、福岡ならではの楽しみ方もある。給与以外の面でも、そういう“付加価値”を与えられる会社にできれば、弊社で働きたいと思う人も増え、優秀な人材も獲得できるのではないかと思います。ですから、本社およびプロダクト開発部門は、これからも福岡に置き続けるつもりです。

――つまり福岡市に拠点を置き続けるメリットの方が大きいと?

松尾 はい。メリットは暮らしやすさだけではありません。これは創業以来、実感していることですが、福岡では市も県も自治体が協力的で、ビジネスがやりやすい。自治体として、私達のような新しい交通系ビジネスを応援してくれる姿勢があるのはありがたいですね。あ、これ福岡市のサイトだからゴマすってるわけではないですよ(笑)。


【プロフィール】
松尾龍馬さん
昭和57年、福岡県北九州市生まれ。九州大学大学院を卒業後、トヨタ自動車九州株式会社に4年4か月在籍し、レクサスの製造工場でエンジニアとして勤務。平成23年、株式会社リーボを設立。

【関連リンク】
株式会社リーボ(REEVO Inc)
http://reevo.jp
平成23年に設立『交通革命により、人生を豊かにします』のミッションのもと、社員一丸となって邁進している。社員数は5名(平成26年11月現在)。



WEEKLY RANKING