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博多華丸が丸刈りになったワケ 主演ドラマ『めんたいぴりり』のモデルはスタートアップの先駆け?

今もっともノリにノッている、福岡出身のお笑いコンビ「博多華丸・大吉」。昨年末、お笑いコンテスト番組「THE MANZAI  2014」で優勝したことも記憶に新しいですが、決勝の際にボケ担当・博多華丸さんのヘアスタイルが丸坊主だったことに驚かれた方も多いのではないでしょうか?

実は、この丸刈り姿は、平成27(2015)年2月20日から放映のドラマ『めんたいぴりり2』および、3月6日に初日を迎える舞台版の役作りのため。同作に登場する"ふくのや"は、実在する辛子明太子メーカー「ふくや」がモデルです。空襲で焼き尽くされた戦後の福岡を舞台に、夫婦二人三脚で食料品店を創業してから、辛子明太子の老舗に成長するまでを、一家と従業員達のホームコメディとして描いた作品です。

平成25(2013)年8月から放映された第一弾の『めんたいぴりり』は、テレビ西日本(TNC)の開局55周年記念作品。当初の放映地域は九州限定でしたが、最高視聴率は8.8%にも達し、優秀番組に贈られる第30回ATP賞、第51回ギャラクシー賞で奨励賞を受賞しています。

全国進出を果たした後も、地元・福岡に愛着を持つ華丸さんは、記者会見などでもたびたび『めんたいぴりり』に言及するなど、博多弁で演じる主人公・海野俊之役に思い入れがある様子ですが、主人公のモデル「ふくや」創業者・川原俊夫さんとは、どのような人物だったのでしょうか。

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同ドラマおよび舞台の原作本『明太子をつくった男-ふくや創業者・川原俊夫の人生と経営』(海鳥社刊)では、俊夫さんは、当時としては大柄な170センチの長身に、自らバリカンで刈り込んだ坊主頭がトレードマークで「中洲の日蓮さん」と呼ばれていたと描かれています。

今でこそ博多名物として有名な辛子明太子ですが、同書によれば、昭和24(1949)年の販売当初は全く売れなかったとのこと。それもそのはず、辛子明太子の原型は、韓国の「メンタイ」。韓国から引き揚げてきた人たちに、懐かしんでもらおうと売り始めたもので、一般の福岡市民には辛くてとても食べられない代物だったのです。

そこで、10年近く試行錯誤を繰り返した末、辛みが強い韓国のメンタイを、日本人向けに旨味があるものに改良。この製品を店頭に並べたところ、「案外うまかばい」と口コミで評判が広がります。さらに、昭和50(1975)年の山陽新幹線の岡山・博多間開業が追い風となって、一気に全国区となり、昭和54(1979)年には売り上げ25億円を突破しました。翌年の納税額は2億613万円にも達し、食料品店経営者としては異例のことながら「高額所得者番付」において、九州で6位、福岡市内では堂々の1位として名を連ねています。

また、俊夫さんがすごいのはその“度量”。日本で初めて辛子明太子の製造に成功したにも関わらず、特許を取得することなく、むしろ製造方法を「福岡の発展」のために開放したのです。この太っ腹な計らいにより、福岡市内では、辛子明太子製造業者が続々と誕生し、裾野が広がる結果となりました。そのおかげで、辛子明太子は“博多の珍味”にとどまらず、“博多の名物”として全国区で知られることとなったのです。自社の利益を度外視して、業界全体のレベルを上げることに貢献した俊夫さんは、まさに福岡発スタートアップの先駆け的存在と言えるのではないでしょうか。

【参考ソース】
ふくや 公式サイト
http://www.fukuya.com/

データで分かるイイトコ福岡 Fukuoka Facts
福岡の食卓・おみやげの定番 めんたいこ
http://facts.city.fukuoka.lg.jp/data/no49/

【参考文献】
『明太子をつくった男 ふくや創業者・川原俊夫の人生と経営』(海鳥社刊)

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