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鎌倉を盛り上げる「カマコンバレー」の取り組みとは!?

電車に乗れば1時間以内で都心に出られるアクセスの良さもあって、近年では首都圏屈指の観光スポットとしてだけではなく、IT企業の集積地にもなりつつある神奈川県鎌倉市。今回紹介する「カマコンバレー」は、ITを使って鎌倉を盛り上げていこうという団体です。そのカマコンバレー立ち上げメンバーの一人が、鎌倉市に本社を構えるIT企業、村式株式会社代表取締役の住吉ユウさん(37歳)。住吉さんは、同じ鎌倉のIT企業の仲間たちと鎌倉を盛り上げるため、定期的に勉強会や飲み会を行い、平成25(2013)年にカマコンバレーを設立しました。これまでに市内の企業や個人が発案した様々なプロジェクトを支援してきたというカマコンバレーとはいったい、どのような団体なのでしょうか。住吉さんにお話を伺いました。


――まず、カマコンバレー立ち上げの経緯についてお聞かせください。

住吉 カマコンバレーの立ち上げ自体は2年前のことなのですが、はじまりはその1年前に遡ります。いまから3年前、当時の鎌倉にはすでにIT企業が少しずつですが集まりつつありました。ITの仕事なので働く場所にしばられず鎌倉という素晴らしい環境で仕事に打ち込むことができていたのですが、一方で人材集めには苦労していました。そこで、地元鎌倉のIT系企業で協力し合おうということになって、勉強会や飲み会を開催したのが我々の活動のきっかけになります。こうした活動を1年くらい続けていたところ、ある日、日経新聞の神奈川版に僕らの活動が取り上げられることがありました。すると、いろんなところから問い合わせが各社にくるようになり、そこではじめて活動をしっかり組織化しようということになったというわけです。

――カマコンバレーの誕生というわけですね。では名前の由来は?

住吉 お分かりかと思いますが、アメリカのシリコンバレーと鎌倉を掛けています(笑)。鎌倉もシリコンバレーと同じように都会からほどよく距離があり、自然と近い。そして企業同士も仲がいいからです。でも、この名前は、僕らが自発的に付けたわけではないんですよ。ある時、カマコンバレーのメンバーがとあるIT勉強会で、半分冗談で「カマコンバレー」と発言したら、そのことが次の日に新聞に大きく取り上げられてしまって……。あんまりかっこよくないネーミングですけど、インパクトも強いし、鎌倉の魂でカマコンだし、これでいいかもと。以来、腹を括ってこの名前で活動しています(笑)。

――カマコンバレーでは、具体的にはどのような活動を?

住吉 定例会を月に1回2時間、これがカマコンバレーの活動の根幹です。普段は100人くらいで集まるのですが、毎回、鎌倉でおもしろい活動をしている人を呼んで、みんなの前でその活動内容をプレゼンしてもらうんです。一般的なイベントでは、その後、質疑応答して、懇親会をして……という流れだと思うんですが、カマコンバレーの場合、プレゼンターは、プレゼン後に自分の活動の課題を提示し、それに対して定例会に参加した人たち全員で、その課題を解決するためのアイディアを惜しげなく出していく。100人くらいでブレストするので、すごい数のアイディアが出てきます。

——―実際に、これまでどのような課題があり、それに対してどのようなアイディアが生まれましたか。

住吉 いろんな課題や夢がプレゼンされるのですが、一例をあげると、街の落書きを消す活動を20年以上続けられている方がプレゼンされた時はかなり盛り上がりました。おもしろいと言う表現は不謹慎なのですが、意外だったのは、街の落書きはだいぶ減ってきていて美しい街並みになってきているものの、どうしてもなくならない。その方によると、街の落書きのほどんどは、たった2人によるものらしいんです。落書きにコードネームがついているため、そうだと推測できると。ブレストではいろんなアイディアが出ました。たとえば、落書きを発見したらスマホを使って位置情報付きで通報するアプリをつくろうというものや、そのデータを解析して、落書きの場所や時間をもとに2人の特性を割り出そうとか。

――すごいですね!!

住吉 また、活動資金が足りないといった課題が出た際はクラウドファンディングを使って資金集めをしています。アイディアを出したり、考えているだけでは現実は動きません。プロジェクトを実現するためにクラウドファンディングを使っているんです。

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――なるほど。それもこれもすべて定例会から始まっているんですよね。

住吉 ええ。僕たちがすごく大事にしている理念があります。それは、「この街を愛する人を、ITで、全力で支援!」。キーワードは「ぜんぶジブンゴト化」です。僕らカマコンバレー会員は、他の会員のプロジェクトでも自分のプロジェクトだと思って、前に進めようと本気でやっています。だから他社でやっていることを「自分事」として本気で応援するんです。みんな理念に共感しているので、やっていておもしろいですよ。他人のプロジェクトにアイディアを出していると、そこで人と人の関わりができるし気づくと自分のプロジェクトのように思えてきてもう楽しくなって応援したくなるんです。

――一緒に課題解決しようというスタンスは福岡と似ていますね。

住吉 横のつながりが強いところは似ているかもしれませんね。鎌倉でも「他社だけど他社じゃない」みたいな感覚がありますので。ビジネスに限らず、鎌倉と福岡の共通点は多いと思います。市民は皆、自分の街がとりわけ好きで、それから、鎌倉は福岡同様、ご飯が美味しい(笑)。食材に恵まれていることもありますが、腕のいいシェフがたくさんいるので料理のセンスが良くて味がいいお店が多いんです。

――今後のカマコンバレーの活動予定は?

住吉 活動の幅を広げていくために、今やっている活動やプロジェクトをボランティアベースのものだけではなく、しっかりと事業化していくプロジェクトも作っていこうと考えています。カマコンバレーには現在、企業で24社、個人では約80人が関わってくれている。そのうち3割くらいがIT系やクリエイター系の方で、ほかにも税理士さんや出版社の方、保育士さんなどなどITに限らずユニークな人がたくさんいます。鎌倉らしく武士の末裔の方も何名かいます。職種を超え、お互いジブンゴト化して力を合わせて課題解決していく姿を見ていると、カマコンバレーのプロジェクトを事業化して、かつそれぞれの会社であったり個人としても成果を上げていくこともできるだろうと思っています。今までやってきた活動を、いかに収益につなげるかというのが次の一つの課題かなと。


【関連リンク】
■住吉ユウ
村式株式会社 http://ville.jp/
昭和52年(1977年)、広島県呉市生まれ。 平成14年(2002年)、山口大学大学院理工学研究科を修了後、上京し、大日本印刷株式会社に入社。4年間勤務の後、仲間とともに村式株式会社を創業。平成25年(2013年)、神奈川県鎌倉市をITで盛り上げるムーブメント「カマコンバレー」に参画。毎月の定例1回定例会を行い、そこで生まれたプロジェクトに対して様々な取り込みを実施している。

■カマコンバレー
http://kamacon.com
平成25年設立。神奈川県鎌倉市を拠点とし「この街を熱くしたい人を、ITで全力支援します」をコンセプトに活動を展開。毎月の定例1回定例会を行い、そこで生まれたプロジェクトに対して様々な取り込みを実施している。



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